小麦粉それぞれの強みを活かし弱みを打ち消すブレンド方法

バゲットを焼く際に、複数の小麦粉をブレンドすることによって、自分自身の好みに合わせた味や香りに仕上げることが可能になります。今回は、フランス産小麦の「花象ブリアンス」と、石臼挽きが特徴の「ムール・ド・ピエール」を2つの小麦粉をブレンドしてバゲットを焼いていきたいと思います。

フランス産小麦「花象ブリアンス」の特徴

花象ブリアンスは千葉製粉株式会社さんから販売されているフランス産パン用粉で、フランスの中でも優良な小麦の産地であるボース地方の小麦を使用しているとのことです。粉の色は若干黄色がかっていて、これぞフランス産の小麦粉という印象です。

特徴的なのは、タンパク量が9.5%±0.5%と低めの数値であり、使用してみると吸水は悪くグルテンも弱い印象です。これはフランス産小麦の特徴でもありますが、ミキシング後の生地は非常にベタつき扱いづらく、発酵後の生地もとても柔らかいので成形も技術が必要になります。

また、灰分は0.42%±0.04%とこちらもやや低めの数値ですので、ふすまの匂いやエグみが少なく、マイルドで食べやすいバゲットに仕上がります。

生地の扱いづらさはありますが、焼き上がったバゲットは香りもよく、クラストもザクッと歯切れの良い食感が特徴の小麦粉です。

石臼挽き小麦「ムール・ド・ピエール」の特徴

ムール・ド・ピエールは、フランス・アメリカ・カナダ産の小麦をブレンドした石臼挽きの小麦粉です。タンパク量は10.5±0.8%と標準的な数値ですが、吸水は良く、適度に扱いやすい生地になります。灰分は0.55%±0.10%とやや高めの数値となっています。

特徴的なのは、甘味系アミノ酸を多く含んでいることで、ほのかな甘さのある芳醇な味と香りが楽しめること。ザクッとしたクラストの歯切れの良さなどが挙げられます。

「花象ブリアンス」と「ムール・ド・ピエール」をブレンドする狙い

今回、この2つの小麦粉をブレンドしてバゲットを焼く狙いは次の通りです。

「花象ブリアンス」をメインに、フランス産小麦の強みである香り高い風味を活かしながら、弱みの部分である生地の扱いづらさを「ムール・ド・ピエール」で補完することで、見た目も味も香りも良いバゲットを焼くこと。

今回は「花象ブリアンス」60% 、「ムール・ド・ピエール」40%の比率でブレンドしてバゲットを焼いてみようと思います。

ミキシング直後の生地はブレンドしてもかなりベタつく

まずミキシングです。「花象ブリアンス」60% 、「ムール・ド・ピエール」40%の比率でブレンドし、加水は70%(コントレックス50%・水道水50%のブレンド)、塩2%、モルト0.8%(分量内の水で溶いておく)、インスタントドライイースト0.025% の微量イーストで、1次発酵18時間と低温長時間発酵で生地を作っていきます。

ミキシングは3分程度行った後取り出します。ミキシング後の生地はブレンドしてもかなりベタつきを感じます。これは60%の「花象ブリアンス」が吸水しきれず水分が遊離しているからだと考えられます。

しかし、15分後の1回目のパンチを行うと生地のベタつきは抑えられ、「花象ブリアンス」100%で使用する時よりも明らかに生地のまとまりやすさを感じることができます。

さらに15分後の2回目のパンチを行うと、生地はしっかり張りのあるものになり、扱いやすさをはっきりと感じることができるようになります。

成形時も適度に張りのある生地のため、とても扱いやすく成形もストレスなくきれいに仕上げることができます。

焼き上がったバゲットは狙い通りに「見た目も味も香りも良いバゲット」に

実際に焼き上がったバゲットは、狙い通りに「見た目も味も香りも良いバゲット」に仕上がりました。「花象ブリアンス」のフランス産小麦の香り高い風味そのままに、「ムール・ド・ピエール」の石臼挽きならではの芳醇な香りやほのかな甘みが加わり、とても美味しいバゲットに仕上がりました。また、フランス産小麦の弱点である生地の扱いづらさをブレンドによって解消することにより、生地も扱いやすく見た目も美しいバゲットに仕上げることができました。

こういった、それぞれの小麦の特徴を知ることによって、お互いの強みを活かしあったり、弱みを補完しあったりすることで、自分の理想のバゲットを焼くことは可能になります。ぜひ自分自身のベストなブレンドを見つけてバゲット焼きの引き出しを増やしてみてください。

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