カンパーニュに気泡を作るコツを分かりやすく解説

気泡の入ったカンパーニュを作りたいけど、なかなか気泡が入らない!どうしても目の詰まったクラムになってしまう…とお悩みの方に、今回はカンパーニュに気泡を作るコツを分かりやすく解説していきたいと思います。

カンパーニュに気泡を作るコツその①ライ麦を20%配合する

カンパーニュに気泡を作るためには、グルテンを弱めに生地を作る必要があります。そのため、ブレンドする粉は小麦全粒粉よりもライ麦全粒粉の方を選んだ方が気泡は作りやすいです。ライ麦粉は、グリアジンは含まれるがグルテニンがないため、グルテンを形成しないと言われています。カンパーニュの風味や食感の軽さのバランスを考慮すると、ライ麦の配合は20%くらいがベストだと感じています。

カンパーニュに気泡を作るコツその②微量イースト&低温長時間発酵で生地を作る

カンパーニュに気泡を作るためには、伸びのよい生地を作る必要があります。微量イースト&低温長時間発酵レシピであれば、16〜22時間ほど発酵時間を取ることによって生地が熟成し、しっとり伸びの良い生地に仕上がります。イースト量多めの高温短時間で発酵させた生地はパサつきやすく目の詰まったクラムになりがちですので、微量イースト&低温長時間発酵でしっかり伸びの良い熟成した生地を作ることをおすすめします。また、発酵がアンダーだとガスが足りず生地が締まってクラムが詰まりやすいので、一次発酵で十分にガスを含んだ生地に仕上げましょう。

カンパーニュに気泡を入れるためにはコツを押さえる事が重要
カンパーニュに気泡を入れるためにはコツを押さえる事が重要

カンパーニュに気泡を作るコツその③最終発酵の温度を抑えて発酵時間を長くとる

通常、カンパーニュの最終発酵は30℃以上で約1時間~1時間30分程とることが多いですが、1時間30分だとまだ生地の締まりが強く、焼成時に内側の圧力が強くかかってしまい、クラムが詰まってしまうことが多いです。(その分クープはきれいに開くのですが)ですので、最終発酵の時間を2~3時間とることによって生地を緩めて伸びの良い状態にする必要があります。そのため、最終発酵の温度を26~27℃に抑えて最終発酵させることをおすすめします。

カンパーニュに気泡を作るコツその④下火で一気に火を通す

いよいよカンパーニュ作りの最終工程である焼成までやってきました。カンパーニュに気泡を作るためには、下火で一気に火を通し、生地内の水分を一気に蒸発させ小さな気泡膜を破る必要があります。家庭用のオーブンはどうしても火力が弱いので最後の焼成部分でつまづいてしまうことが多いです。下火を補うために、銅板を使っている人も多いですが、私の場合はストーンプレート(溶岩石プレート)を別途ガスコンロで加熱して下火を補っています。ただし、この方法はオーブンを傷つけたり火傷する危険性もあるため、自己責任でくれぐれも怪我や火傷のないようご注意いただければと思います。どうしても下火を補う環境が作れない場合は、生地量を少なくしてみることをおすすめします。

ちなみに、プロのパン屋さんが使う業務用オーブンはそのほとんどが石床になっており、蓄熱性が高く輻射熱は遠赤外線効果で火通りが良いのです。だから美味しいパンが焼ける。であれば家庭で可能な限り再現すれば理想のパンに近くということになります。

最終発酵を長くとるためクープの開きは控えめ
微量イースト&低温長時間発酵のため、糖の消費が少なくクラストは飴色に

あとはとにかくカンパーニュを焼く経験を増やすこと

いかがでしたでしょうか?私も過去何回もカンパーニュを焼きまくり、試行錯誤してきました。その試行錯誤の中で原因の仮説を立て、次回にその仮説を検証していくという作業を繰り返し行ってきました。その中で見えてきたコツを今回ご紹介させていただきましたが、最後はやはり実践あるのみだと思います。ぜひ満足のいくカンパーニュを焼くために、その試行錯誤のプロセスも楽しんでいただけたらと思います!

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