高加水でモチモチ食感のリュスティック基本&アレンジレシピ

今回は高加水でモチモチ食感のリュスティックの基本レシピと、バジルとチーズを使ったアレンジレシピのご紹介をします。リュスティックはフランス語で「素朴」という意味があり、高加水でベタつき成形しづらい生地をそのまま成形することからこの名前が付いたようです。生地は扱いづらいですが成形は簡単ですので、ぜひ試していただければと思います。

高加水でモチモチ食感のリュスティック基本レシピ

準強力粉(モンブラン)70%、準強力粉(メルベイユ)30%、硬水(コントレックス)40%、軟水(水道水)40%、塩2%、ユーロモルト0.8%、インスタントドライイースト0.025% ※家庭用オーブンでリュスティック大2つ、もしくは中3つであれば、粉量は300g程度が目安 ※今回は加水80%仕込みなので、生地の扱いに慣れていない人は加水72%くらいから始めてみることをおすすめします。

硬水(コントレックス)と軟水はあらかじめブレンドしておき冷蔵庫で冷やしておく。※粉が常温であれば水の温度は4℃が目安。

準強力粉(モンブラン)、準強力粉(メルベイユ)、インスタントドライイーストは、あらかじめミキサー内で混ぜておく。硬水と軟水をブレンドした水80%の中に塩2%、ユーロモルト0.8%を混ぜ合わせておく。

3分間ミキシングを行い、ミキサーから取り出した生地は軽く丸めておく。※生地が非常にゆるくベタつくため、打ち粉を多めに振って素早くボウルに移す。20分後にパンチを1回目を行い、その20分後に2回目のパンチを行う。2回目のパンチが終了した時点でグルテンが形成されて生地として成立している。1次発酵は17℃で18時間発酵させる。※家庭用オーブンで2回に分けて焼成する場合、先に分割して別々のボウルで発酵させると2回目の生地の過発酵や乾燥を防ぐことができる。

成形のポイントは、長方形に薄く広く伸ばして生地の厚さを均一にすること

成形前に薄く広く伸した生地

成形は、薄く広く伸ばして生地の厚さを均一にするときれいな正方形になる。長方形に伸した生地を横に三つ折りにして、さらに縦に三つ折りにする。この三つ折りを2回繰り返すときれいな形になる。※生地量を多めに仕込んだ場合は、ここから正方形に分割をする。あらかじめ発酵前に分割した場合は、このまま正方形にして成形終了。

バジルとチーズのリュスティックの簡単アレンジ

バジルとチーズのリュスティックの成形 1回目の折りたたみ
バジルとチーズのリュスティックの成形 1回目の折りたたみ

生地の2/3にシュレッドチーズとバジルを振りかける。写真の場合、左側から 1/3 折りたたみ、右側も同じく折りたたむ。

バジルとチーズのリュスティックの成形 2回目の折りたたみ

同じ要領でシュレッドチーズとバジルを振りかけて折りたたむ。上の写真は生地を90度回転させた状態。右側から折りたたんでいく。

折りたたみが終了した生地
折りたたみが終了した生地

最終発酵は室温(20℃~24℃)で約30分とり、その間にオーブンを最高温度で予熱しておく。最高温度での予熱が終わったら、さらに下火を強化するためにストーンプレートを別途加熱を行う。高加水の生地の水分を一気に蒸発させるためには、遠赤外線効果の高いストーンプレートを使うのがポイント。※くれぐれも自己責任で安全第一でお願いします。

最終発酵時のリュスティックの生地

焼成前に生地に打ち粉を振り、カードですくい取ってスリップピールに移す。切れ味の良いクープナイフでクープを1本斜めに入れ素早く窯入れする。窯入れ後は多めのスチームを入れる。オーブン床に熱湯を70ccくらい入れてスチーム発生させる。※ストーンプレートを使っている場合、プレーン生地はストーンプレートで直焼きする。バジルとチーズのリュスティック生地はチーズが溢れるため、必ずオーブンシートを下に敷いて焼成する。

窯入れ前のリュスティック
窯入れ前のリュスティック

窯入れ後の最初の5 分は最高温度で焼成し、オーブンキックさせる。※この時にスチーム量が足りないと表面が焼き固まりクープが開かなくなるので、生地表面に蒸気が当たっているかチェックし、スチームが足りない場合は20ccほど追加でスチームを入れる。5分後は240℃に温度を落として約10分焼成する。その後、焼きムラを防ぐために生地の向きを変えて220℃で約15分焼成する。焼成時間はトータルで約30分。焼き色をみて焼成時間は調整する。

焼成中のリュスティック
焼成中のリュスティック

高加水のため、焼きあがったリュスティックのクープはやや控えめだが、パンチと成型時に折りたたんだ生地は足腰が強く、上へボリュームが出ている。

焼きあがったリュスティック
生地の発酵・折りたたみ・焼成温度がうまくいけば高さのあるリュスティックに仕上がる
生地の発酵・折りたたみ・焼成温度がうまくいけば高さのあるリュスティックに仕上がる
リュスティックのカット断面

クラムには上に向かって大小の気泡が入る。

リュスティックのカット断面

リュスティックの美味しい食べ方のご紹介

微量イースト&低温長時間発酵で仕上げたリュスティックは、クラストが甘く香ばしいのでそのまま何もつけずに味わうのも美味しいですが、おすすめなのが、「生ハムとクリームチーズ」「ブルーベリージャムとクリームチーズ」の組み合わせ。バゲット、カンパーニュ、リュスティックなどのハード系パンはクリームチーズがよく合います。バジルとチーズのリュスティックはそのままカットしてお召し上がりください。

左から「生ハムとクリームチーズ」「ブルベリーとクリームチーズ」「バジルとチーズ」
左から「生ハムとクリームチーズ」「ブルベリーとクリームチーズ」「バジルとチーズ」
お好みに合わせて美味しい食べ方をアレンジしてみてください

いかがでしたでしょうか?リュスティックは成形が簡単なので、ハード系パンを始めるには最も適したパンだと言えます。今回は加水80%で生地の扱いは難しいのですが、加水72%ほどであれば生地も扱いやすくクープもきれいに開きますのでおすすめです。ぜひリュスティックを焼いて、美味しい食べ方を見つけてみてください!

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