クープのエッジと蜂の巣クラムが美しい、微量イースト&低温長時間発酵バゲットの基本レシピ

今回は、クープのエッジと蜂の巣クラムが美しい、微量イースト&低温長時間発酵バゲットの基本レシピをご紹介します。微量イースト&低温長時間発酵で生地を仕込むことによって甘く香り豊かなクラストに仕上がります。クープのエッジや蜂の巣クラムは焼成時のコツがありますので、詳しく解説していきたいと思います。

微量イースト&低温長時間発酵バゲットの基本レシピ

準強力粉(モンブラン)70%、準強力粉(メルベイユ)30%、硬水(コントレックス)16.5%、軟水(水道水)53.5%、塩2%、ユーロモルト0.8%、インスタントドライイースト0.025% ※家庭用オーブンでバゲット2本仕込みであれば、粉量は300g程度が目安

硬水(コントレックス)と軟水はあらかじめブレンドしておき冷蔵庫で冷やしておく。エビアンやボルヴィックであればストレートで使用する。(硬度が300~350程度になっていればOK )

準強力粉(モンブラン)、準強力粉(メルベイユ)、インスタントドライイーストは、あらかじめミキサー内で混ぜておく。硬水と軟水をブレンドした水70%の中に塩2%、ユーロモルト0.8%を混ぜ合わせておく。

3分間ミキシングを行い、ミキサーから取り出した生地は軽く丸めておく。※家庭用オーブンでバゲット2本仕込みであれば、この時点で2つに分割しておくと成形の時に綺麗に正方形に広げることができる。こね上げ時の生地のグルテンは繋がっていなくてもOK。20分後にパンチを1回目を行い、その20分後に2回目のパンチを行うことでグルテンをつなげていく。1次発酵は17℃で18時間発酵させる。途中のパンチは一切行わない。

エッジが美しいクープを出すためには成形が重要

18時間後の膨倍率は2倍程度、生地の表面に複数の気泡が確認できる。生地量によって生地を取り出したら正方形に広げる。ここで綺麗に正方形にすることがポイント。生地の厚さも1cm~1.5cm程度に均等に伸ばしていく。綺麗に正方形に伸ばしたら生地を三つ折りにし、さらに生地を上から押して平らにしていく生地が横長方形になったら、奥側から3cm程度手前側に折り返してつなぎ目を手で押さえて閉じていき、これを2回繰り返して生地を棒状にしていく。(クルクルと巻いていくイメージ)つなぎ目はしっかり閉じて生地表面が張った状態にする。その後生地を転がしながら太さを均一にしていき、約40cmくらいの長さになるまで軽く伸ばしていく。成形が終わったらキャンバス布に生地をのせ、ひだ取りをして左右から生地を支える。

キャンバス布でひだ取りした生地

最終発酵は室温で約30分。表面をわずかに乾燥させるのがポイント。

最終発酵は室温(20℃~24℃)で約30分とり、その間にオーブンを最高温度で予熱しておく。最終発酵のポイントは、生地表面をわずかに乾燥させるのがポイント。生地表面をわずかに乾燥させることによって、クープナイフの入りを良くすることで綺麗なクープを作ることを狙っている。

最高温度での予熱が終わったら、さらに下火を強化するためにストーンプレートを別途加熱を行う。蜂の巣状のクラムに仕上げるためには、遠赤外線効果の高いストーンプレート使って生地に一気に火を入れるのがポイント。※くれぐれも自己責任で安全第一でお願いします。

布にある生地は取り板(バゲットと同じ長さの薄い板)を使って取り出し、スリップピールに移す。切れ味の良いクープナイフでクープを4本~5本いれて、素早く窯入れする。窯入れ後は多めのスチームを入れる。オーブン床に熱湯を50ccくらい入れてスチーム発生させてもOK。

窯入れ後の最初の3~5 分は最高温度で焼成し、オーブンキックさせる。※この時にスチーム量が足りないと表面が焼き固まりクープが開かなくなるので、生地表面に蒸気が当たっているか表面が乾燥していないかよくチェックする。

5分後は240℃に温度を落として約12分焼成する。その後、焼きムラを防ぐために生地の向きを変えて220℃で約10分焼成する。焼成時間はトータルで約27分。

エッジが立ったクープ
エッジが立ったクープ

発酵・成形・クープ入れ・焼成時のスチーム量・焼成温度などの工程がうまくいけば、エッジの立った綺麗なクープに仕上がる。

糖の消費が少ないためクラストの焼き色は濃くなる
糖の消費が少ないためクラストの焼き色は濃くなる

微量イースト&低温長時間発酵のため、クラストの焼き色は濃く飴色になる。この焼き色の濃いクラストが甘みと香ばしい香りを生み出す。

多めのスチームでクラスト表面に艶と光沢が生まれる
多めのスチームで艶と光沢が生まれたクラスト表面

また、多めのスチームを入れることによってクラスト表面には艶と光沢が生まれる。焼きあがったバゲットのクラスト表面を見て、艶がなかったらスチームが少ないことが考えられるので、どのくらいのスチーム量でクラスト表面に艶が出るのか、何度かバゲットを焼いてコツを掴んでいく。

エッジが立ったバゲットは一気にオーブンキックした証拠。クラムも多く気泡が入る。
エッジが立ったバゲットは一気にオーブンキックした証拠。クラムも多く気泡が入る。

エッジが立ったバゲットは、スチームが適度に入ったことで生地の伸びが良くなり一気にオーブンキックした証拠となる。そのため、クラムには膜の厚い大小様々な気泡が入りボリュームも出て火通りも良くなる。

バゲットの横カット
バゲットの横カット 大小さまざまな気泡が入る

クラムには膜厚な蜂の巣状の気泡が入る。低温長時間発酵で生地を熟成させ、ストーンプレートで下火を強化して一気に火を通すことによってこのような蜂の巣状のクラムに仕上がる。クラムがクリーム色なのは、微量イースト&低温長時間発酵によって小麦粉中のカロテンが焼き残るため。

バゲットを縦割りにカットした断面 蜂の巣状のクラムに仕上がる
バゲットを縦割りにカットした断面 蜂の巣状のクラムに仕上がる
バゲットを縦割りにカットした断面 アップ写真

いかがでしたでしょうか?家庭用オーブンでもクープのエッジと蜂の巣クラムが美しいバゲットを焼くことは可能です。実際に私は東芝の石窯ドームでこのバゲットを焼いています。ストーンプレートを使うなどのひと手間はかかりますが、家庭用オーブンでプロに引けを取らない美しくかっこいいバゲットを焼くことは可能ですし、微量イースト&低温長時間発酵で生地を仕込めば、街のパン屋さんのバゲットよりも美味しく焼き上げることができますので、ぜひこのレシピをご参考にしていただき、バゲット作りに挑戦してみてください!

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