低温長時間発酵と冷蔵長時間発酵の違いやメリット・デメリットとは?

甘く香り高いバゲットを焼き上げるために必要な「長時間発酵」について少し詳しくお話ししていきたいと思います。私は長時間発酵でも「低温長時間発酵」と「冷蔵長時間発酵」という2つの言葉に区分けしています。この2つの違いやメリット・デメリットについて解説していきたいと思いますので、ぜひご自身のパン作りの参考にしていただければと思います。

低温長時間発酵とは何か?

私自身が定義している「低温長時間発酵」とは、17℃前後の一定の温度で約18時間ほど発酵させることを指しています。17℃は低温と言えるのか?という疑問ですが、これは発酵温度の範囲において「低温」と表現しています。通常パンの一次発酵は27〜30℃で行われることが多いです。この辺りの温度を基準に、37℃以上で発酵させることを高温発酵、20℃以下で発酵させることを低温発酵と私自身は定義しています。17℃という温度は、イーストの活性を抑えながらも発酵はジワリと進んでいく絶妙な温度だと私は感じています。

低温長時間発酵バゲット
低温長時間発酵バゲット

冷蔵長時間発酵とは何か?

私自身が定義している「冷蔵長時間発酵」とは、常温である程度生地を発酵させてから、4℃くらいの冷蔵庫で一晩寝かせる(オーバーナイトさせる)ことを指しています。4℃というかなり低温な状態でも完全に発酵が止まるわけではなく微妙に発酵は進行していきますが、ごく微量のイーストで仕込んだ場合は生地の膨らみなどほとんど変わりません。前述した低温長時間発酵と同様に10時間以上発酵させることによって生地の熟成が進み、甘く香ばしいバゲットが焼き上がります。

長時間発酵により甘みと香りを感じられる
長時間発酵により甘みと香りを感じられる

低温長時間発酵のメリットとデメリットとは?

低温長時間発酵のメリットは、「発酵温度が一定で管理しやすい」ことです。計量・捏ね上げ温度に気をつければ、最適な発酵タイミングを決まった時間に作れます。ミキシング・パンチの時だけ外部温度に影響を受けますが、それ以外は温度管理ができるので、発酵のコントロールがしやすく発酵の失敗がほとんどありません。ちなみに私の場合、酵母はインスタントドライイーストを0.025%使用し、捏ね上げ温度は21℃前後、一次発酵時間は18時間が基本です。バゲット以外の糖分や具材が入るパンを作る場合はイースト量を増やしたり、ハードトーストなど発酵膨倍率が2.5〜3倍ほど要する場合は、発酵温度を20℃に設定するなど、作るパンによって調整しています。

一方、デメリットとしては、発酵専用の冷温庫を購入しなければならないことが挙げられます。通常の家庭では17℃という微妙な温度を保つ手段はありませんので、低温長時間発酵をパン作りに取り入れるためには、冷温庫の購入は必須となります。冷温庫は持ち運びができるサイズですが、多少なりとも収納スペースが必要になりますので購入前によく検討することをおすすめします。

冷温庫は5℃〜60℃まで設定することが可能と記載があるので、バゲットの一次発酵の他にも、山食やカンパーニュの最終発酵にも使用できます。私は山食やカンパーニュの場合、27℃〜30℃で最終発酵させることが多いです。庫内に霧吹きをすれば湿度が保てますので発酵器具としては値段もお手頃で便利です。

長時間発酵によるメリットは大きい
長時間発酵によるメリットは大きい

冷蔵長時間発酵のメリットとデメリットとは?

冷蔵長時間発酵のメリットは、「専用器具を使わず簡単に長時間発酵が可能」であることです。常温で発酵させ、生地が2倍程度まで膨らんだら冷蔵庫に入れるだけなのでとても簡単です。これから長時間発酵でバゲットを作ってみたいという方は、まず冷蔵長時間発酵から始めてみるのも良いかと思います。

一方、デメリットとして「発酵温度が変化するので管理に注意が必要」だということが挙げられます。1つめは、最初の常温発酵の見極めです。常温発酵は生地の発酵速度が早いため、何か違うことに没頭してしまうと、あっという間に過発酵になってしまいます。ですので、適切な発酵膨倍率になるまでは気を抜けません。また、一次発酵終了後には「復温」が必要です。冷蔵庫から取り出した生地温度は4℃ですので、そのまま成形に入ってしまうとかなり生地が締まった状態での成形になってしまいます。また、最終発酵の時間に生地がほとんど発酵しません。冷蔵庫から取り出したら、成形は生地温度が17℃くらいに戻るまで必ず待ちましょう。

いかがでしたでしょうか?低温長時間発酵も冷蔵長時間発酵もパンをおいしくするための有効な手法ですので、ご自身にあったパンの作り方でパン作りを楽しんでいただけたらと思います。冷蔵長時間発酵は、「過発酵に注意すること」「冷蔵庫から取り出したら必ず「生地を復温させること」この2つをおさえていただけたらと思います。長時間発酵を取り入れて、美味しいバゲットを焼いてみてください。

私が使用している冷温庫はこちらです。

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