気泡たっぷりのバゲットを焼く方法

クープがきれいに開くようになってくると、次にこだわりたくなってくるのが、クラムの「気泡」です。クープを勢いよく開かせるために、成形時にキツく巻きすぎてしまうと、クラムが詰まってしまうことがあります。成形・ホイロ・クープ入れ・焼成温度、これらのバランスをとるのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか?今回は、気泡たっぷりのバゲットを焼くためのコツをご紹介したいと思います。

気泡たっぷりのバゲットを焼く方法その1「下火」を強化する

蜂の巣のような気泡たっぷりのクラムを生み出すための最も重要なポイントは「下火」にあります。私も気泡たっぷりのバゲットを焼くために、何度も何度も試行錯誤を重ねてきましたが、この「下火」を強化したことによって、一気に蜂の巣のような気泡たっぷりのクラムを作り出すことができました。

少し理論的なお話をすると、蜂の巣のような気泡を作るためには、ある程度弱いグルテンの形成と、生地中の水分を一気に蒸発させるための熱源が必要になります。生地中の水分が一気に蒸発し、膨張した空気が弱いグルテン膜を破ることで大小の気泡が作られます。

ちなみに、多くのパン屋さんの業務用オーブンは「石床式」になっています。石床式のオーブンは石の適度な凹凸や、直焼きによって生地に熱が入りやすく伸びやすいのが特徴です。そして、石床による遠赤外線によって生地の中まで熱が入るので、内側から一気に熱膨張することによって大小の気泡ができ、ボリュームも出るのでクープも開き、水分が適度に抜けたパリッとしたバゲットが焼きあがるのです。

ですので、気泡たっぷりのバゲットを焼くためには、パン屋さんのような石床式のオーブン環境を家庭用オーブンで再現すればよいのです!(ちょっと無理やりですが…)

では、その環境を再現する方法ですが、「カッコよくて美味しいカンパーニュを焼く方法でもご紹介した「ストーンプレート」を活用することです。ビザ用のピザストーンや私が使用している溶岩プレートでもなんでもOKです。

くれぐれも火傷にご注意いただき、自己責任でお願いしたいのですが、この「ストーンプレート」で下火を強化することによって、気泡たっぷりのバゲットを焼くことができます。

ストーンプレートの予熱の方法は2つあります。1つめは、オーブンの予熱機能で最高温度に設定して1時間以上予熱をする方法です。プレートは重量があるので、15~30分予熱しただけでは十分な熱を蓄えられていません。オーブン用の温度計を使って実際のオーブン温度を計測しながら予熱時間を見極めてください。2つめは、30分ほど予熱した後にオーブンからプレートを取り出し、ガスコンロで5分程度加熱をする方法です。火傷の危険性があるので耐熱グローブを使用し、自己責任で十分に気をつけて行ってください。オーブンに戻す際は、直火に当たっていた下側はそのまま下にして戻してください。下側は特に高温となっているので、直火に当たっていた下側を上にしてしてしまうと生地が焦げます。

私が使用しているストーンプレートは下記になりますのでよかったら参考にしていただければと思います。どうやらペットマット用のプレートみたいなのですが、縦30cm 、横40cmと私が使用している石窯ドームの天板とほぼ同じサイズなのです。しかもお値段が安いので私はこの溶岩プレートを愛用しています。

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気泡たっぷりのバゲットを焼く方法その2 生地の加水は70%以上にする

生地を仕込む時の加水量は基本的に70%以上がおすすめです。これは、気泡を生み出すためのグルテン膜の弱さを作り出すためです。加水量が少ないとグルテン膜が強くなりすぎてしまうため、生地中のガスや蒸発した空気をグルテン膜が包み込むため、蜂の巣のような大小の気泡ではなく、キメの細かい気泡となってしまいます。ただし、加水が多すぎると生地の扱いが難しくなり、成型時の手数も多くなってしまうので、最適なバランスを見出す必要があります。粉の種類にもよりますが、北米産の準強力粉であれば70~72%、フランス産の準強力粉であれば70%、国産の準強力粉であれば68~70%を目安に最適な加水量を見つけていただければと思います。

気泡たっぷりのバゲットを焼く方法その3「低温長時間発酵」にする

イースト量2~1%で高温短時間で発酵させたバゲット生地は、キメの細かい気泡のクラムになりがちです。私がオススメするのは、イースト量0.1%~0.025%の微量イーストで発酵させること。一次発酵である程度生地を膨らませた後に、冷蔵庫で12時間以上寝かせるオーバーナイト製法や、冷温庫を使って17℃という低温で18時間発酵させる低温長時間発酵をおすすめしています。

微量イーストで低温長時間発酵を行うことで、グルテンが適度に弱いながらも伸びの良い生地が作れます。この低温長時間発酵の生地をストーンプレートを使って高音で一気に熱を入れることによって、蜂の巣のような大小の気泡が入ったクラムが作れます。また、微量イーストの低温長時間発酵によって、生地中の糖の消費が抑えられ、小麦粉中のカロテンが焼き残ることで、写真のように生地の色が濃くなります。味も小麦本来の甘みが感じられ、美味しいバゲットに仕上がります。

気泡たっぷりのバゲットを焼くためには、経験を積んだパン作り上級者である必要はなく、上記のポイントを押さえるだけでです。今まで何度焼いても作れなかった気泡が、あっという間に作れてしまいます。本気でバゲット作りが上手くなりたい。蜂の巣のような大小の気泡が入ったクラムを作りたいという方は、ぜひ試してみてください。

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