バゲットの一次発酵時間を発酵温度でコントロールする

バゲットを低温長時間発酵で焼く際に、希望の焼き上がりの時間から逆算して仕込む時間を決めます。しかし、仕込みを始めなくてはならない時間に別の予定が入っていると、当然のことながら仕込み時間をずらさなくてはなりません。そうなると焼き上がりの時間も変動してしまいます。今回は、バゲットの一次発酵時間を発酵温度でコントロールする方法をご紹介いたします。

前提条件となる低温長時間発酵バゲットのレシピ

まず、前提条件となるバゲットのレシピをご紹介します。私がいつも焼いてるバゲットは微量イースト&低温長時間発酵のバゲットです。押さえていただきたい3つのポイントは、①イースト量は粉に対して0.025%、②一次発酵時間は18時間、③発酵温度は17℃ この3つを押さえていたければと思います。詳しいバゲットのレシピは下記の記事をご確認ください。

一次発酵時間を発酵温度を1℃単位でコントロールする

私がいつもバゲットを焼く際には、一次発酵は18時間、発酵温度は17℃の低温長時間発酵でバゲットを焼いています。例えば、日曜日の朝8時の朝食に間に合わせるためには、前日土曜日の11時に仕込みをする必要があります。しかし、その時間に予定が入っている場合は、仕込みを早めるか、遅らせるかの一方を選ばなくてはなりません。そうすると焼き上がりの時間も変動してしまいます。

そんな時は、発酵温度を1℃単位で調整することで希望の焼き上がり時間は変えずに、仕込み時間を柔軟に変更することが可能になります。例えば、仕込み時間を早めたい場合、前日の8時から仕込みを開始する場合には、計量・ミキシング・パンチ2回(15分×2回)が終了する時間が9時だとすると、一次発酵時間は22時間(18時間+4時間)、発酵温度は16℃(17℃−1℃)で、窯入れ時間は翌日6時にコントロールすることができます。6時に窯入れができれば、バゲット2本(27分×2回)を焼いたとしても、8時の朝食には十分間に合います。つまり、通常より仕込む時間が-4時間の場合、発酵時間は-1℃調整するということになります。

一次発酵時間をイースト量でコントロールしない理由

一次発酵時間はイースト量でもコントロールすることができますが、私はイースト量では調整しません。理由は単純明快で、微量イーストで発酵させているため、これ以上イースト量を減らすことが計量上できないからです。逆に一次発酵量を短くしたい場合にはイースト量を増やすということは有効かもしれませんが、イースト量を増やしてしまうと、小麦粉中の糖の消費を加速させ、甘みを失ってしまいます。また、発酵時間が短くしてしまうと、生地の熟成が足りず香りも少なくなってしまいます。ですので、私は発酵時間を短くするということはしていません。

1℃単位で温度管理をする方法とは?

とは言っても、「どうすれば1℃単位で温度管理ができるの?」と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。私がパン作りの一次発酵に使っているのが「冷温庫」です。特に、低温長時間発酵をバゲットを焼くためには、冷温庫の購入は必須となります。これからバゲットに挑戦してみたい。バゲットは焼いているけれど、もっと美味しいバゲットを焼きたいと思う方はぜひ冷温庫を購入して低温長時間発酵バゲットに挑戦してみてください。

冷温庫は5℃〜60℃まで設定することが可能と記載があるので、バゲットの一次発酵の他にも、山食やカンパーニュの最終発酵にも使用できます。私は山食やカンパーニュの場合、27℃〜30℃で最終発酵させることが多いです。庫内に霧吹きをすれば湿度が保てますので発酵器具としては値段もお手頃で便利です。

冷温庫は持ち運びができるサイズですが、多少なりとも収納スペースが必要になりますので購入前によく検討することをおすすめします。

私が使用している冷温庫はこちらです。

いかがでしたでしょうか?バゲットの一次発酵時間を発酵温度でコントロールできるようになるとバゲットを焼く機会も増えます。バゲットを焼く機会が増えるとバゲット焼きの上達も早くなります。一次発酵は全てのパン作りにおいてとても重要な工程ですので、ぜひ1℃単位で発酵温度を管理して美味しいパン作りを楽しんでいただければと思います。

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